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■今大会の展望■

 【男子】

 フェデラー(3シード スイス)とナダル(1シード スペイン)に両雄対決にもう完全にジョコビッチ(2シード セルビア)が入ってきました。いや今年最初のグランドスラム、オーストラリアンオープンを制してのジョコビッチはその時の調子がずっと続いているかのような快進撃で白星がとまりません。オーストラリアではっきりと彼のテニスの成長とレベルの高さを口にしていましたが、それもナダルが弱くなった訳でもなくフェデラーに以前のテニスが出来なくなったからでもありません。それは彼自身のテニスがより高いレベルに達してきているという事なのです。フェデラーの流れるような美しいテニスをナダルは強烈なボールの回転を伴ったそして不屈の闘志で食い止め、トップの座を奪い取りました。しかしあの強靭な身体をしても故障には勝てないのでしょうか、時々立ち止まるのを余儀なくされる事態がおこってきました。ジョコビッチの精度の高いショットは更に厳しさを増していますが、ナダルの進化はそろそろ難しい所にきているのではないかと、昨年話した事が今現実味を帯びてきているように思えてしまいます。フェデラーはバッククロスのトップスピンでナダルへの策を講じようとしましたが、思うようにはいかずミスが重なり分が悪くなっていきました。しかしジョコビッチは欠点らしき物がありません。全てのショットに強さを持ち何より精度が高く確実性を持ち合わせています。それもトップスピンに限らずスライスもフラットもそしてネットプレーもと策も豊富です。以前みせていた体調不良とかメンタルの不調もこのところすっかり影を潜めました。今回彼が勝つような事があるといよいよ彼のテニスに磨きがかかり更に強いテニスを築き上げていく事になるかもしれません。
今回もこの3人の戦いになる事はまず間違いないでしょうが、やはり気になるのはマレー(4シード イギリス)です。数年前からフェデラーに強いといわれた彼がナダル、ジョコビッチにグランドスラム優勝の先を越されてしまっています。長いフォアと強いサービス、そして自分のペースに持っていく巧さは十分で今回テニス界をあっといわせて欲しいと多くの方も望んでいるに違いありません。他にはソダーリング(5シード スウェーデン)、フェレール(7シード)とベルダスコ(16シード)のスペイン勢そして、ツォンガ(17シード)とモンフィス(9シード)のフランス勢達がトップスリーに対してどう戦っていくかが興味のある所です。そんな中で私はオーストラリアンオープンで一躍新しい星というイメージを与えたドルゴポロフ(21シード ウクライナ)とガスケ(13シード フランス)に注目しています。ドルゴポロフは天才的なタッチと動きでフェデラーを彷彿させるような早いテニス、それがどのようになってきているのか、そして若い同世代のフランス選手達との凌ぎ合いから薬物違反の疑惑から遅れを取ったガスケが懸命の努力でしっかりシード選手として復活してきました。元々ショットの強さには定評のある所、期するものが強い筈です。
 今回日本選手は錦織と添田が出場します。錦織はとにかく期待の星です。何をしてもさまになるテニスに確実性がましてきました。ショットの威力ではいう事はありません。初戦には台北のルー、強い選手ですがチャンスは大いにあるでしょう。もし3回戦に勝ち上がれば彼が一躍躍り出た3年前のUSオープンで破ったフェレールとまた当たる事になります。とても楽しみな一戦です。そして添田です。彼は本戦へダイレクトインしての参戦で、初戦はロシアのユーズニー、何でもしてくる相手にどう戦うでしょうか。


【準備に追われる技術陣】
【打ち合わせ】
【4銃士広場】


 【女子】

 今年の女子は全くわかりません。これほど本命不在というか混沌としたローランギャロスは初めてでなないでしょうか。とにかく大物、大型選手の欠場です。といってももう数年前には早いテニスが主流を占め新しい時代がくる事を皆が思っていた事でした。そこにウイリアムズ姉妹(アメリカ)が体調を整えてしっかり大会に出場し始め、引退していたクライシュテルス、エナンの両ベルギー勢の復帰とこの強豪がショットの強さで主流になりかけたテニスに待ったをかけた形でした。しかもその早いテニスを打ち崩す強烈パワーは有無をいわせない程でしたが、そんな中にもかなりのパワーを持ってしかもスピードテニスが少しずつ形になってきたのも否定出来ません。
ゲルギス(17シード ドイツ)、バブリウチェンコワ(14シード ロシア)、リー(6シード 中国)、チブルコバ(22シード スロバキア)、カネピ(16シード エストニア)、ウイックマイヤー(21シード ベルギー)、ペトコビッチ(15シード ドイツ)達です。まだまだ強豪の仲間入りとはいかなくてもこういう人達が女子テニスを引っ張っていく存在になる事は間違いない事でしょう。
トップシードはウォズニアッキ(デンマーク)です。強打の中にあってちょっと一味違ったテニスが持ち味、この所の成績からもうグランドスラムでの勝利は近いという声も多くあります。確かに試合が巧く相手のリズムを崩し隙をつくやりかたですが、強烈なイメージのテニスではないだけにかなりハードルの高い戦いになるように思えます。強豪クズネツォワ(13シード)とシャラポワ(7シード)、ズボナレワ(3シード)のロシア勢はどうでしょう。特に今調子の良いズボナレワがこれまでグランドスラム決勝進出の力を見せてここでも活躍出来るか、またシャラポワが復活をかけて厳しい日々を過ごしていると聞きます。クズネツォワ共々面白い存在です。2シードはクライシュテルス(ベルギー)、力はもう誰もが認めている所で普通ならば優勝候補の筆頭でしょう。しかし試合に臨むには十分な状態ではないようで私達には不安を感じさせずにはいられません。しかし彼女はこれまでもそうでしたが、いったん大会に入ると体調の不良がない限り腕を振り回しての豪打は誰も止める事ができません。ですから不安はあってもどこかで期待しているという所でしょうか。私はスキアボーネ(5シード イタリア)、アザレンカ(4シード ブルガリア)、そして中国のリーに期待しています。スキアボーネは自分のテニスをはっきり作ってしまいました。彼女しかできないようなテニスは迫力満点、明らかにポイントを自分から作っていくショットの多彩さには目を見張ります。アザレンカも強いく先があるといわれ続けてきましたが、この辺りで優勝戦線に残っていかないとこれからが難しくなってくるでしょうし彼女はそれをしっかり自覚しての戦いになるでしょう。そしてリーです。オーストラリアンオープンではファイナルでクライシュテルスを圧倒する場面が多くありました。クライシュテルスをして変化のテニスをさせてしまう程に攻めに強さをみせました。あのキップの良いテニスは魅力的です。
日本からは伊達、森田、波形の3選手が出場です。伊達はもういうに及ばずとでもいいましょうか、復活してからの鋭く早いテニスはますますしっかりしたものになってきました。ただこの所彼女としては良い結果がでていないようです。強打の相手が早いテンポに苦しみ緩く変化のあるボールで伊達の良さを消そうとしているのかもしれません。しかし伊達は更に早く鋭く打ち込むテニスを繰り広げるでしょう。それが彼女のテニスですから。森田は確実にランクを上げてきています。打ち合いではスピードで負けるという所は殆どありません。スピード合戦に持ち込んでの勝利を期待しています。波形もダイレクトインでの出場です。いかにも女性らしい柔らかいテニスが持ち味、相手のスピードをどう殺していくのか楽しみです。


【ゲート】
【シャトリエ】
【コート1】