【コート7】
【放送ブース 木村アナと】



■大会第14日目 9月11日(日)/試合結果■
【放送に携わる技術陣】
調度10年前の今日、あの忌まわしい9.11が起こりました。USオープン終了の2日後の火曜日、私達が帰国する日の朝の出来事でした。毎年グランドゼロ地点ではそれを悼む式典が行われますが、朝からテレビではそのニュースが流れ続けています。ここニューヨークでは数日前から警備が厳重になり、交通にも影響がでているようです。天気は朝から曇り空、時折小さい雨も落ちようかという天候のもと女子決勝が行われました。気温が低く選手にとってはとてもいい日となり、さぞやプレーは白熱化するのではないかと期待されましたが、結果はセレナがそれほどではなく相手のストーサーの良さばかりが目立つファイナルとなりました。本来の日程では今日は最終日で男子決勝の日でしたが、雨による順延が2日と続き予定がかわってしまいました。
明日が大会の最終日となります。今日の写真はテレビ中継放送にかかわる技術陣達の姿です。この一部屋だけではありません。もっと多くの人達がそれぞれの仕事に関わっていてどの一人が欠けても良い仕事はできないのです。機械が多いので気温を低く保つため寒く風邪を引きそうになります。私には苦手な部屋ですね。
 ◆女子シングルス決勝
   [28] S・ウイリアムズ(USA) 26 36 ☆[9] S・ストーサー(AUS)

驚きました。確かに二人の対戦はここまでセレナの4勝3敗と競ってはいました。しかしストーサーのプレー振りはパワーやスピードはあっても相手に守られ崩される場面が多くあって、強いけれどもやや安定感に欠ける感じでした。所が今日はどうでしょう、相手がセレナとあってしかも初のグランドスラム優勝というものが目の前にあって、このチャンスを逃さないという闘志あふれる姿がプレーにしっかりでていたのではないでしょうか。もともと身体を鍛え上げアスリートとしての強さ、早さ、反応の良さを持つ彼女がセレナの強打を逆に更に強い強打で打ち返す、そんなシーンがどれだけあったでしょう。一方的に打ちまくるセレナの姿が今日はみられませんでした。立ち上がりから時にみせるゆっくりした姿でもいずれは優位にポイントを取っていくだろうと思っていました。セカンドに入ってその兆候は見えていたと思います。しかしそれをストーサーは許しませんでした。セレナに敢然と立ち向かい粘りで戦う姿を決して見せません。あくまで攻めてネットへの形を維持したストーサー。いつものセレナのサーブやショットは少なく、表情を変えることなくとにかく動き回って勝負するストーサーに栄冠が輝いたという事でしょう。この所オーストラリアのテニスは以前と比べると低迷していると言っていいでしょう。このストーサーの優勝はオーストラリアのテニスに大きな影響を与える事になります。見ていて清々しい彼女のコートでの立ち振る舞い、ただテニスが強いだけでなく彼女の人間性がみえたようで感動しました。素晴らしいサマンサ・ストーサーです。


【アッシュ北側】
【河路アナと伏見P】
【出店】




■2011 US Open/ベスト8■


【男子ドロー表】


【女子ドロー表】




■私の一言「改修のコート17」■
 グランドスラムの行われる会場は常に変化していきます。ここUSオープンのフラッシングメドウスも例外ではありません。一昨年大きなインドアコートが完成しました。テニスコートは勿論の事USTA(アメリカテニス協会)絡みの部署があり、USオープンのようなイベントの時にはジュニアを楽しませる趣向をこらしたものが作られ家族連れで込み合っています。そして今年はまた新しいものが誕生しました。それがこのコート17で昨年まで普通のコートでしたが、大きく改修されて4番目に大きなコートとしてお目見えしたのです。試合で使用されるコートは17面、そのうちショーコート(収容人員500人以上)はアーサーアッシュスタジアム(23,771人)、ルイアームストロングスタジアム(10,103人)、グランドスタンド(6,106人)、コート11(1,552人)、コート13(584人)、そして改修のコート17(2,800人)とその他5面となっています。この改修のコート17は地面より低い所に作られていて他にこういうコートを私は知りません。地面から掘り下げて作られている訳ですから下に広がるコートを見る事ができてとても見やすく感じます。ちょっとしたアイディアから生まれたのでしょうか、感心させられました。私が解説の仕事に関わって20年、初めの頃の観客数は40万人位だったと覚えていますが、今では70万人を超えるといいます。この大観衆が選手達のプレーでひきつけられるのは勿論ですが、大会側のいろいろな配慮があって更に魅力を感じるのに疑う余地もありません。そして観客を呼ぶ為にチケットの販売にも努力をしているようで私達が会場へ向かうバスにも関係者以外の人々が大勢乗り込んできます。恐らくチケット購入に何か協会絡みの方法があり、その購入者はバスの利用が可能なのでしょう。お陰でバスはいつも満員で大きな身体に押されて私は常に小さくなっています。
(SEP 04 '11 柳 恵誌郎/US open)




■大会最終日 9月12日(月)/試合展開予想■
 ◆男子シングルス決勝
   [1] N・ジョコビッチ(SRB) vs [2] R・ナダル(ESP)

いまやフェデラーを凌ぐ二人の戦いです。第1、2シードの両者にはいろいろな事がありました。先行したのはナダル、王者フェデラーをローランギャロスで倒しての初優勝からもうグランドスラムタイトルを既に10回取っていて、この若さで生涯グランドスラムも達成しました。一人王者の感があったフェデラーへの最初の挑戦者でした。しかもその後フェデラーに遅れを取る事は殆どありません。それをまた追っかけたのがジョコビッチ、ショットの精度の高さに加えその威力とテニスの大きさから不利だった対ナダル戦でも徐々に苦しい状況を脱して、現在対ナダル戦5連勝中と留まる事をしりません。しかもジョコビッチはフェデラーに対してもこの所大きく勝ち越しています。こう見てみるとこのトップ2が男子テニスの中心にいる事がはっきりしてきます。ただ、二人の対戦は昨年秋からジョコビッチの方に大きく傾いていきました。何がそうさせるのでしょうか。昨年のUS openではナダルがジョコビッチを破り生涯グランドスラムを成し遂げましたが、それから1年ナダルは他の大会決勝で全てジョコビッチに敗退しています。先のローランギャロスで彼らしくない言動がみえかくれしたのはその頃でした。しかしそのローランギャロスを制し立ち直って来た感じのナダル、ウインブルドンではこれも決勝でジョコビッチに破れましたが、彼なりの厳しい練習を積んでこのUS openでの雪辱を期しているに違いありません。ここまでの戦いも次第に良くなって来て高い打点からの攻めも目立ってきました。守りから攻めへとトップシードを倒す為の策もしっかり出来て来ているのでしょう。対するジョコビッチはティプサレビッチ、フェデラーとライジング気味の返球にタイミングを崩されおかしくなった場面もありました。この所の彼にはみられない不安な部分をみせたように思います。しかし彼の性格でしょうか、自分の状態を冷静にみつめ平静に保つ術を持ち合わせているようで、リラックスした感じからの攻めのボールはグングン伸びて狙った所へ飛んでいきます。先に先にとボールを展開するジョコビッチのテニスにナダルが攻める場面をどれくらい作れるでしょうか。左に動いてのフォアストレートは正に芸術品ですが、これはいわゆる守りの中でのもの、自分から攻めてのポイントが多くないとジョコビッチのテニスを崩すのは難しいのではないでしょうか。ただこのところ対ナダル5連勝中のジョコビッチにどこか甘い部分がでると思わぬ展開になる事はよく起きる事です。一方5連敗中のナダル、これまでと違う攻め方やテニスの仕方が何かあるのではないでしょうか。とにかくナダルが攻められて余計に力が入るのかスピンボールが浅くなる事があります。こうなったらチャンスはほとんどありません。ボールの深さが勝負を分けるでしょう。私はやはりジョコビッチのテニスの大きさに分があると見ています。


【コート11からアッシュを望む】
【アッシュスタジアム】
【アイスクリーム】