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先のローランギャロスでのフェデラー(3シード スイス)のプレーには誰もが驚かされました。あれだけの早く強いショットを流れの中から連発する彼に信じられない気持になったテニスファンも多かったのではないでしょうか。しかしそのフェデラーを倒して優勝したナダル(1シード スペイン)はさすがに世界No1、苦しみながらも自分のテニスを守ってのプレーは見事なものがありました。また一番評判の高かったジョコビッチ(2シード セルビア)もフェデラーに敗れたもののその落ちついたプレーは彼の成長をはっきり認識させるに十分なものがあり、今回もやはり優勝候補の筆頭にと考える人も多いと思います。このウインブルドンはこの3者の動きにそれぞれの注目が集まる大会になる事は間違いなさそうです。トップシードのナダルはローランギャロスではこれまでにないメンタルの動揺らしきものが見え隠れしていました。しかしそれも優勝という結果で気持良くこの大会へ臨んで来ているでしょう。大会前の練習でもオープンに練習していつものピリピリ感をそれほど感じませんでした。やはりスピンストロークを中心とした守りの強さは揺るぎない感じがします。
ずっと負け知らずの頃より高い次元のテニスを見せたフェデラーには得意の芝での優勝を期待する声は多いと思います。私も当然のようにそう考えています。ただ不安がない訳でもありません。彼はサービスの確率を高めて一気の攻めで自分のリズムを作っていく形を常に繰り返してきました。先のローランギャロスは正にそれで自分のいい形になってしまえば攻撃は強まるばかり、どのショットでも主導権を取って相手を圧倒していきます。しかしファイナルのナダル戦でセカンドセットのタイブレーク、出だしでのレシーブの強打を続けてミスをしてしまいました。私がフェデラーのミスにいつも気にかけていた事がここで出て来たように感じました。対ジョコビッチ戦のようなミスの少ないいつもよりずっとずっと高いレベルでのテニスがいつも続くとは思えないのも事実、それが彼への不安なのです。
そしてジョコビッチは改めてショットの精度を元に大きなテニスでの勝利を求めていくと思います。どこにも穴がなくどこからでも攻める事のできる安定したテニスはやはり魅力十分です。体力やメンタルに心配はなさそうですから、ナダル、フェデラーに劣る要素があるとは思えません。
この3人に迫るのが地元期待のマレー(4シード イギリス)です。上位者3人にちょっと離された感じではありますが、テニスに大きな変化がある訳ではなく彼自身はトップ3に対して不利な意識はないと思います。勝ち上がっていけば大会は多いに盛り上がります。続くのはソダーリング(5シード スウェーデン)、ツォンガ(12シード)、モンフィス(9シード)ガスケ(17シード)のフランス勢、フィッシュ(10シード アメリカ)達が続きます。そしてデルポトロ(24シード アルゼンチン)がいよいよ復活してきました。体調を崩してランクを落としていたUSオープンチャンピオンが本来のスピードと強打のテニスで先のローランギャロスではジョコビッチと激闘を演じました。この選手もトップ戦線に必ずや上っていくでしょう。また今年私が期待していたドルゴポロフ(22シード ウクライナ)がちょっと苦しんでいるようです。しかし何かを契機に一気に上昇気流に乗る事もあり得ると思っています。天才的なタッチと動きは注目に値します。それとナダルと2回戦で当たりそうなアンドウゥハル(スペイン)も見せてくれます。実はローランギャロス3回戦で対戦しストレートでナダルが勝利しましたが、その内容はまるでナダルに勝つチャンスがなかったかのようなものでした。一方的にアンドウゥハルがそれは早い打点から攻めまくりナダルは多いに苦しみました。この試合はナダルにとって一つの鬼門かもしれません。
そして昨年3日間に渡って長く続いた試合、11時間05分でファイナルセット70-68というおよそテニスのスコアとは思えないゲームを演じたイズナー(アメリカ)とマウ(フランス)が、運命のいたずらとでもいうのでしょうか今回も初戦で当たります。抽選ですからやむを得ませんがまた長い試合になるのでしょうか、二人の気持は複雑でしょう。
日本の錦織はかっての世界ランク1位のあのヒューイット(オーストラリア)が相手です。名前を聞けばちょっと驚きですが、今の状況では錦織に大きなチャンスがあるように思います。ただ練習では相変わらず強いストローク力を見せつけていましたが、錦織はそれにも十分対応できると思います。そして嬉しい事に添田がラッキールーザーで本戦入りを果たしました。フレンチに続いての本戦出場、活躍を願っています。 |
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