【アオランギ 練習コート】
【準備するオフィシャル】



■今大会の展望■

 【男子】

 先のローランギャロスでのフェデラー(3シード スイス)のプレーには誰もが驚かされました。あれだけの早く強いショットを流れの中から連発する彼に信じられない気持になったテニスファンも多かったのではないでしょうか。しかしそのフェデラーを倒して優勝したナダル(1シード スペイン)はさすがに世界No1、苦しみながらも自分のテニスを守ってのプレーは見事なものがありました。また一番評判の高かったジョコビッチ(2シード セルビア)もフェデラーに敗れたもののその落ちついたプレーは彼の成長をはっきり認識させるに十分なものがあり、今回もやはり優勝候補の筆頭にと考える人も多いと思います。このウインブルドンはこの3者の動きにそれぞれの注目が集まる大会になる事は間違いなさそうです。トップシードのナダルはローランギャロスではこれまでにないメンタルの動揺らしきものが見え隠れしていました。しかしそれも優勝という結果で気持良くこの大会へ臨んで来ているでしょう。大会前の練習でもオープンに練習していつものピリピリ感をそれほど感じませんでした。やはりスピンストロークを中心とした守りの強さは揺るぎない感じがします。
ずっと負け知らずの頃より高い次元のテニスを見せたフェデラーには得意の芝での優勝を期待する声は多いと思います。私も当然のようにそう考えています。ただ不安がない訳でもありません。彼はサービスの確率を高めて一気の攻めで自分のリズムを作っていく形を常に繰り返してきました。先のローランギャロスは正にそれで自分のいい形になってしまえば攻撃は強まるばかり、どのショットでも主導権を取って相手を圧倒していきます。しかしファイナルのナダル戦でセカンドセットのタイブレーク、出だしでのレシーブの強打を続けてミスをしてしまいました。私がフェデラーのミスにいつも気にかけていた事がここで出て来たように感じました。対ジョコビッチ戦のようなミスの少ないいつもよりずっとずっと高いレベルでのテニスがいつも続くとは思えないのも事実、それが彼への不安なのです。
そしてジョコビッチは改めてショットの精度を元に大きなテニスでの勝利を求めていくと思います。どこにも穴がなくどこからでも攻める事のできる安定したテニスはやはり魅力十分です。体力やメンタルに心配はなさそうですから、ナダル、フェデラーに劣る要素があるとは思えません。
この3人に迫るのが地元期待のマレー(4シード イギリス)です。上位者3人にちょっと離された感じではありますが、テニスに大きな変化がある訳ではなく彼自身はトップ3に対して不利な意識はないと思います。勝ち上がっていけば大会は多いに盛り上がります。続くのはソダーリング(5シード スウェーデン)、ツォンガ(12シード)、モンフィス(9シード)ガスケ(17シード)のフランス勢、フィッシュ(10シード アメリカ)達が続きます。そしてデルポトロ(24シード アルゼンチン)がいよいよ復活してきました。体調を崩してランクを落としていたUSオープンチャンピオンが本来のスピードと強打のテニスで先のローランギャロスではジョコビッチと激闘を演じました。この選手もトップ戦線に必ずや上っていくでしょう。また今年私が期待していたドルゴポロフ(22シード ウクライナ)がちょっと苦しんでいるようです。しかし何かを契機に一気に上昇気流に乗る事もあり得ると思っています。天才的なタッチと動きは注目に値します。それとナダルと2回戦で当たりそうなアンドウゥハル(スペイン)も見せてくれます。実はローランギャロス3回戦で対戦しストレートでナダルが勝利しましたが、その内容はまるでナダルに勝つチャンスがなかったかのようなものでした。一方的にアンドウゥハルがそれは早い打点から攻めまくりナダルは多いに苦しみました。この試合はナダルにとって一つの鬼門かもしれません。
そして昨年3日間に渡って長く続いた試合、11時間05分でファイナルセット70-68というおよそテニスのスコアとは思えないゲームを演じたイズナー(アメリカ)とマウ(フランス)が、運命のいたずらとでもいうのでしょうか今回も初戦で当たります。抽選ですからやむを得ませんがまた長い試合になるのでしょうか、二人の気持は複雑でしょう。
日本の錦織はかっての世界ランク1位のあのヒューイット(オーストラリア)が相手です。名前を聞けばちょっと驚きですが、今の状況では錦織に大きなチャンスがあるように思います。ただ練習では相変わらず強いストローク力を見せつけていましたが、錦織はそれにも十分対応できると思います。そして嬉しい事に添田がラッキールーザーで本戦入りを果たしました。フレンチに続いての本戦出場、活躍を願っています。


【打ち合わせ】
【ウォズニアッキ】
【標識】


 【女子】

 先のローランギャロスでアジア人として初めてグランドスラムを制した中国のリー(3シード)には大喝采でした。東洋人で西欧の人達に全く互角に戦い勝ち抜くそのテニスに圧倒されました。今回ランクも3位に上げ優勝候補の一角に陣取るのも当然という気がします。フォアクロスの切れは素晴らしく冷静な状況判断も彼女の大きな武器となっています。
そしてシャラポワ(5シード ロシア)です。もう若手の早いテニスについていけないと思えていた彼女のテニスが、これも先のローランギャロスでは一変していました。締まった身体からの続けざまの強打は凄まじく、その動きの速さも別人の感さえありました。恐らく彼女は一気に力をつけ成績を出して来た頃と同じような感覚を持ってのプレーではないでしょうか。今回もやってくれるように思います。
そしてあのセレナウイリアムズ(7シード アメリカ)の登場です。力的には他を圧倒する彼女ですが、気になる点も多々あります。それはどれだけテニスへの強い気持が続くかという事です。巧く運んでいる間は何も気にする事はないでしょうが、少しでも思うようにプレーが出来ない状態がでてくると果たして勝負に対して強い執着心が続くものでしょうか。その辺りが気がかりで優勝候補に上げない訳にはいかなくても全く安定とはいえない気がします。
第1シードのウォズニアッキ(デンマーク)、第2シードのズボナレワ(ロシア)、この二人のテニスはやはり今のスピードとパワーを感じさせる早さのテニスにもうひとつ何か足りないように思えてなりません。彼女達がこの大会を制するには何かもう一つ強烈なショットなりやり方が求められる気がします。ウォズニアッキの練習ではテニスのスピードを計ろうと強打とネットの組み合わせの意識が見て取れましたが、セレナやシャラポワのような強烈ショットという訳にはいかないという所でしょうか。そして他の若い人達が確実に大きくなってきています。筆頭はアザレンカ(4シード ベラルーシ)でしょう。常にベースラインより内側へ入ってのプレーは積極的で早い打点の強打は正に今のテニスです。そしてペトコビッチ(11シード ドイツ)、クビトバ(8シード チェコ)、ウイックマイヤー(19シード ベルギー)、ゲルゲス(16シード ドイツ)達が続きます。皆が早いテニス、そのスピードは見るものがあり確実に逞しくなって来ています。そして気になる選手はパブリウチェンコワ(14シード ロシア)です。大きな身体で動きが速そうには見えませんが、その思い切った強いショットは魅力的です。そして彼女を忘れる訳にはいきません、それはスピンとガッツを武器に変幻自在の動きで相手を圧倒していくスキアボーネ(6シード イタリア)です。今回も彼女しかできない楽しいプレーを見せてくれるでしょう。
日本勢は森田、クルム伊達、そして予選をクリアした土居が出場です。すっかり自信をつけたような早いテニスの森田は初戦がオーストリアのバスゼック、その後勝ち上がれば3回戦でスキアボーネと当たります。そこで彼女がどのような戦いをするかとても興味が湧いて来ます。クルム伊達は2回戦でヴィーナスウイリアムズ、強打に強いテニスで彼女の良さが出る試合ではないでしょうか。土居はグランドスラム2度目の出場、初白星を期待しています。


【関係者】
【オフィシャル 打ち合わせ】
【岩渕/坂本】