■ハリケーン アイリーン■
 USオープンにきて20年になります。確かにこれまでいろいろな事が起こりました。その最たるものが10年前に起きたあの痛ましい9.11テロでしょう。あれは大会を終えて帰路につく火曜日の朝の出来事でした。そしてそれから10年、これから大会が始まろうかという前日の日曜日に今度はあろう事かハリケーンがアメリカ東海岸を襲ったのです。
 私は金曜日(26日)にニューヨークに入りましたがそれは北大西洋で発生したハリケーン、アイリーンが、次第に陸地に沿って北上している最中だったのです。ニューヨークも直撃されるというニュースは大きく流れ、大会会場では土、日曜日の立ち入りを禁止し全ての造作物やテレビ中継機材等全て片付けてハリケーンに備えていました。市内では交通は全面ストップ、店も閉店で週末なのに人影もまばらです。お陰で私達は大会現場へ行く事もままならずホテルでただ時が経つのを待つしかありません。私は九州出身ですから小さい頃から台風には何度も遭遇し、家が軒下まで水につかった経験もしています。しかしこのアイリーンの衝撃はまた違った強烈なものがありました。
 深夜2時頃けたたましい音で目を覚ましました。ホテルはNYのE 42nd 通りに面していて41階建ての38階、何か巨大な車が鉄や石の大きな固まりを引っ張っているかのようなガタガタ、ガーンという音、そしてあらゆる方向へ風の波が吹き荒れ高層ビルに突き当たり、はたまた吹き上げるかのような地響きに似た風の音、それは言葉で表す事はできません。それがずっと朝まで続いたのです。恐らく各所で相当な被害がでているでしょう。そして会場は大丈夫でしょうか?予定通りに試合ができるか心配です。私の最後のニューヨークにこんな事が起こるなんて。写真はホテルの部屋からみてビル街で上は雨の中、下はほとんど同じ所の深夜です。いつもはもっと明るいのにまるで真っ暗闇の世界のようです。
(AUG 28 '11 柳 恵誌郎/US open)